SECURE
IPOにおける
企業価値の最大化支援
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- クライアント
- 株式会社セキュア
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- 市場
- 東証グロース(4264)
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- 業種
- AI×セキュリティソリューション事業
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- 上場時期
- 2021年12月27日
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- 支援時期
- N-1期-N期
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- 支援内容
- ロードショーマテリアル作成、プレロードショー実施
高い事業の成長性を訴える
エクイティストーリーが必要
セキュリティDXの「ソフト」と監視カメラ等の「ハード」にAI技術を融合した独自のセキュリティ事業を展開するセキュアは、2021年のIPO準備段階で、投資家に対して成長性を的確に伝えるロードショーマテリアルが不足していました。
また、市場動向に即した類似企業等のComps選定やエクイティストーリーの内製化が困難であり、外部支援を必要としていました。

監視カメラに閉じない、
AI×セキュリティという
事業成長ストーリーの明確化
セキュアとの徹底的な対話を通じて、「AI×セキュリティ」という事業領域の独自性と成長可能性を深く理解し、投資家に伝わるエクイティストーリーを構築しました。サービスにAIを活用している背景や、事業領域がハードだけでなくソフトも含む包括的なソリューションであることを明確に整理し、競合との差別化ポイントを明確化。
さらに、抽象的な概念を具体的でわかりやすいビジュアル表現に変換し、図解を交えて投資家の目線で理解しやすい資料を作成しました。加えて、弊社所属の元バイサイドの機関投資家によるプレロードショー(擬似ロードショー)を実施し、本番前に投資家からの視点・質問を把握。効果的な本番対応を支援しました。
投資家から高評価を獲得し、
公開価格上限での上場と
初値での大幅増加を達成
伴走支援の結果,想定価格870円に対して仮条件の上限である950円での公開価格を獲得し、初値は2,185円(公開価格の約2.3倍)を達成。SaaSバブル崩壊が始まっていた困難な市場環境の中でも、投資家の理解と注目を集めることに成功し、注目されたIPOとなりました。

監視カメラに閉じず、
AI×セキュリティで
事業拡大を想像させるストーリー構築

LENZ&Co.と今回のプロジェクトを
実施された背景を教えてください。
谷口:元々は、LENZ&Co.(旧KINOCOS)の木下さんに営業資料を依頼したのが取引の始まりでした。営業資料を見直そうと外注できる会社を探していた時に知人の経営者からの紹介でご縁を頂き、こちらの要望に丁寧に応えていただきながら、クオリティの高い資料を作成いただくことができました。
数年後、上場するにあたって、ロードショーマテリアルが必要になったんです。当時グロース市場に上場する企業は資料のデザインレベルもかなり高いところが多くなっていて、そこに並ぼうと思うと内製ではなかなか難しい状況でした。そこで、以前作って頂いた営業資料のクオリティの高さを思い出し、LENZ&Co.さんに依頼させていただきました。木下さんをはじめとする、LENZ&Co.さんのメンバーはマテリアル作成のポイントをよく理解していて、デザインの表現力が高く、具体化と抽象度のバランスが良いのが特長だと感じています。単に見た目を綺麗にするだけではなく、LENZ&Co.さんは事業理解とファイナンス視点をもって最適なアウトプットを作ってくださった印象です。

プロジェクト完了までの過程で印象に残っていること/
エピソードはなんでしょうか?
谷口:上場準備の終盤は、毎日のように証券会社や東京証券取引所とのやりとりが発生し、かなりタフな状況になります。そんな中でもLENZ&Co.さんは密にコミュニケーションを取って柔軟に対応してくださり、特に、投資家に向けてのメッセージングの部分は両社で知恵を出し合いながら一緒に作り上げていったと思っています。一番ありがたいと思ったのは、抽象度が高い状態で伝えた内容を、図解も含めて具体的にわかりやすく説明していただいたこと。自分自身でもあまり咀嚼できていない、ふわっとしている部分を深掘りしていただきました。
また、「プレロードショー(擬似ロードショー)」を実施した初めての企業だったことも印象深く残っています。LENZ&Co.さんに所属している元バイサイドの機関投資家と90分の場を設定いただき、本番さながらで擬似ロードショーを実施させていただきました。そのおかげで、「投資家がどう考えており、どういった質問をしてくるのか」が事前にわかったおかげで、本番のロードショーは緊張せず話すことができ、ロードショーの成功に大きく寄与したとも考えています。

今回のプロジェクトによって
どのような成果が得られましたか?
谷口:定性的ではありますが、一番感じるのはやはり周囲からの言葉ですね。投資家はもちろん、他の上場企業からも「わかりやすいね、いい資料だね」との評価を多くいただきました。今も、あの時に制作いただいた資料をベースにして投資家に説明しています。あらためて、弊社の企業価値への期待度を高められる資料に仕上がったと感じています。
目論見書価格が870円。仮条件の870円-950円の中で上限である950円を獲得できたのは、投資家への理解が進み、ブックの積み上げによる結果だと思います。また上場後の初値は2,185円と公開価格950円の約2.3倍となりました。弊社が上場したタイミングは2021年の12月は、SaaSバブルが崩壊し始めていていたりとなかなか投資家の注目・理解を得るのが難しかった時期ですが、お陰様で注目されるIPOとなったと考えております。

現在のビジネス状況と
今後の展望を教えてください。
谷口:上場から1年半が経ち、上場の効果を強く感じています。採用面では応募者の質が明らかに上がりましたし、認知も広がってきました。事業面においても、従来以上にお付き合いの幅が広がり、企業規模の大きな顧客からの引き合いも増えています。
ですが、まだまだ弊社は成長の初期段階で、これからビジネスもどんどん進化していきます。事業のフェーズが変わる中、エクイティストーリーも今後一段とブラッシュアップしていかなければなりません。そういった中で、今後もLENZ&Co.さんとはぜひ継続的にお取引をさせていただきたいと思っています。